買った似顔絵の著作権と商用利用|どこまで使えるかを用途別に解説
最終更新: 2026-10-02PR
「ネットで買った似顔絵、名刺に使ってもいい?」「グッズにして売るのは?」。似顔絵を手に入れたあとによく出てくるのが、この疑問です。
結論からいうと、絵を買っても、著作権は原則として描いた人に残ります。どこまで使えるかは、購入前に描き手と何を約束したかで決まります。
このページでは、用途別に「そのまま使えることが多いもの」「許可が必要なもの」を整理し、購入前の合意の取り方までまとめました。
このページは著作権法などの一般的な情報をまとめたもので、個別のケースについての法的な助言ではありません。事業で使う場合や契約の内容に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
結論:使い道は「買う前に」伝えて合意しておく
- 買ったのは絵(原画・データ)で、著作権は原則として描いた人のもの
- 飾る・スマホの待ち受けにするなど個人で楽しむ使い方は、多くの場合そのままで問題ない
- 名刺・チラシ・看板・広告・グッズ販売など仕事や収益にかかわる使い方は、商用利用の許可が必要なことが多い
- ロゴにする、自由に加工したいなら著作権の譲渡と著作者人格権を行使しない約束まで取り付ける
似顔絵にかかわる3者の権利
似顔絵には、描いた人・買った人・描かれた人の3者がかかわります。それぞれが持っている権利を整理すると、次のようになります。
| 立場 | 持っている権利 | ポイント |
|---|---|---|
| 描いた人 | 著作権・著作者人格権 | 絵を描いた時点で自動的に生まれ、登録などの手続きはいらない(著作権法第17条) |
| 買った人 | 原画(物としての絵)の所有権、約束した範囲で絵を使う権利 | 使える範囲は、描き手から受けた利用の許諾の内容で決まる(第63条) |
| 描かれた人 | 肖像権(自分の顔をみだりに公表されない利益) | 他人を描いた似顔絵を公開したり広告に使ったりするときは、本人の了解を得ておく |
著作権は、絵をコピーする(複製権)、ネットで公開する(公衆送信権)、形を変えて別の作品にする(翻案権)などを決められる権利の集まりです(第21条〜第28条)。
著作者人格権は、作品を公表するかを決める権利、作者名を表示するかを決める権利、勝手に改変されない権利(同一性保持権)からなり(第18条〜第20条)、ほかの人に譲渡することはできません(第59条)。
描かれているのが自分の顔でも、絵の著作権は描いた人にあります。顔は自分のものでも、それをどう絵に表すかは描き手の創作だからです。
一方で、原画を買った人は、その原画を部屋や店内に飾ることができます(第45条第1項)。ただし、原画を屋外に恒常的に設置する場合は、この規定の対象外です(同条第2項)。
参考:著作権法(e-Gov法令検索)、文化庁「著作物が自由に使える場合」(2026年10月確認)
用途別の早見表:そのまま使える?許可が必要?
よくある使い道を、一般的な目安で分けました。実際に使える範囲は、出品ページの条件と描き手との約束が優先されます。
| 使い道 | 目安 | 確認しておくこと |
|---|---|---|
| 原画を飾る・プレゼントする | 個人利用(そのままでOK) | 原画の持ち主として飾ることができる |
| データを家で印刷して飾る・待ち受けにする | 個人利用(通常OK) | 仕事以外の目的で家庭内で使うなら私的使用(第30条) |
| SNSのアイコン・個人の投稿 | 個人利用(通常OK) | 出品ページに、加工や作者名の表記などの条件がないか |
| 個人の年賀状 | 個人利用(通常OK) | たくさん印刷するなら、注文時に年賀状に使うと伝えておくと確実 |
| 名刺・ホームページ・会社やお店の年賀状 | 商用利用 | 商用利用に対応しているか、オプション料金 |
| チラシ・看板・のぼり・広告 | 商用利用 | 使う媒体と大きさ。看板は高解像度データかベクター形式 |
| グッズにして販売・配布する | 商用利用+二次利用 | 販売してよいか、数量や期間の制限 |
| ロゴにする・商標登録する | 著作権の譲渡を受けるのが安心 | 譲渡の範囲(第27条・第28条を含むか)、人格権の不行使、商標登録してよいか |
| データを他人に配る・素材として公開する | 二次配布(原則NG) | 描き手の許可なしにはできないと考える |
「商用利用」に法律上の決まった定義はありませんが、一般には仕事の宣伝や集客、売上につながる使い方を指します。
個人事業主の名刺やSNS、収益化しているブログや動画も、商用利用として扱われることがあります。迷ったら商用利用として相談しておくと安心です。
仕事で使う場合は名刺・ホームページの似顔絵、グッズは似顔絵グッズや似顔絵アクスタ・アクキーの作り方、LINEスタンプは似顔絵LINEスタンプで詳しく解説しています。
判断に迷いやすい使い方
| 使い方 | 考え方の目安 |
|---|---|
| フリーランス・個人事業主のSNSアイコン | 仕事の宣伝や集客に使うアカウントなら、商用利用として相談しておく |
| 収益化しているYouTube・ブログ | 広告収入などが出るなら、商用利用として相談しておく |
| 社内報・社内の掲示 | 外部に出さなくても会社の業務での利用。用途を伝えて確認する |
| 結婚式のムービー・席札 | 個人のお祝いの範囲。映像や印刷を業者に頼むなら、その用途も伝えておく |
| PTA・町内会・サークルの配布物 | 営利目的でなくても、多くの人に配るなら用途を伝えて確認する |
「商用利用の許可」と「著作権の譲渡」の違い
仕事で使うときに出てくるのが、「商用利用の許可」と「著作権の譲渡」です。どちらも「使ってよい」という意味では同じですが、権利が誰に残るかが違います。
| 商用利用の許可(利用許諾) | 著作権の譲渡 | |
|---|---|---|
| 著作権を持つ人 | 描いた人のまま | 買った人に移る |
| 使える範囲 | 許可された使い方・条件の範囲内(第63条第2項) | 譲り受けた権利の範囲で自由に使える |
| 色の変更・トリミング | 許可された範囲だけ | 第27条・第28条の権利を含めて譲り受け、人格権の不行使も約束しておく |
| 描き手の作例掲載 | 作例として掲載されることがある | 譲渡後も掲載してよいかを決めておく |
| 向いている使い方 | 名刺、ホームページ、チラシ | ロゴ、商標登録、長く使うキャラクター |
著作権を譲り受けるときは、2つの点に注意が必要です。1つめは、契約で第27条(翻案権など)・第28条(二次的著作物の利用に関する権利)を譲渡の対象として明記しておくこと。
書いていないと、これらの権利は描いた人に残ると推定されます(第61条第2項)。
2つめは、著作者人格権は譲渡できないため、色や文字を変える予定があるなら「著作者人格権を行使しない」ことにも合意しておくことです。
ロゴの場合の進め方は似顔絵ロゴ・お店の看板で詳しく解説しています。
購入前に合意しておく方法
似顔絵師が登録しているココナラのヘルプでは、利用規約第19条(権利帰属)の内容を「出品者による制作物の知的財産権は出品者に属するものとした上で、出品者は購入者に対して原則自由に制作物を利用できる権利を認めるものと定めています」と説明しています。
そのうえで、商用利用・二次利用・著作権譲渡の可否や範囲は、取引の当事者間で決める必要があるとし、メッセージ機能などで条件を調整してから制作を始めるよう求めています。
また、共有された成果物を取引完了前に無断で使うと、出品者の権利を侵害するおそれがあるとされています。
ラフや納品された絵をSNSに載せたり印刷したりするのは、取引が完了してから、または出品者の了解を得てからにしましょう。
出典:ココナラ ヘルプ「納品物の使用範囲・著作権譲渡について」(2026年10月確認)
実際の手順は次のとおりです。
- 絞り込みで探す:似顔絵カテゴリの「利用範囲」で「商用利用」「二次利用」「高解像度(印刷可)」を選ぶと、対応している出品にしぼれます。
- 出品ページを読む:有料オプションに「商用利用」「著作権譲渡」があるか、その料金、「購入にあたってのお願い」に書かれた利用条件(作例掲載、加工の可否、AIへの読み込み禁止など)を確認します。
- 購入前に用途を具体的に伝える:「出品者に質問」や見積り相談で、使う媒体・枚数・期間・販売するかどうかを書いて、対応できるかを確認します。
- 合意をメッセージに残す:了解をもらった内容は、取引のメッセージやトークルームに文章で残しておきます。あとから見返せる記録が、行き違いを防ぎます。
- あとから用途が増えたら相談する:名刺だけのつもりが看板にも使いたくなったら、その時点で描き手に連絡し、追加の料金などを相談します。
購入前の確認メッセージ(コピー用)
はじめまして。購入前に、使い道について確認させてください。
自分の似顔絵を、【お店の名刺・ホームページ・チラシ】に使いたいと考えています。将来、【店頭の看板】に使う可能性もあります。
1. この使い方で商用利用は可能でしょうか。必要なオプションと料金を教えてください。
2. 色の変更やトリミングなど、こちらで加工してもよい範囲を教えてください。
3. 作例としての掲載は、控えていただくことは可能でしょうか。
よろしくお願いいたします。
依頼文全体の書き方は似顔絵の依頼文テンプレートにまとめています。
AI学習・二次配布・加工の注意点
- 二次配布受け取ったデータを他人に渡して使わせる、無料素材として公開する、データを転売するといった使い方は、描き手の複製権や公衆送信権にかかわります。許可なくしないのが原則です。
- 加工SNS用に小さくする程度ならともかく、色を変える、体を描き足す、別の絵と合成するといった加工は、同一性保持権や翻案権にかかわることがあります。出品ページで加工の可否を確認し、迷ったら描き手に相談しましょう。
- 生成AIへの読み込み似顔絵を生成AIに読み込ませて、別のポーズや衣装の画像を作る使い方は避けましょう。元の絵の特徴が残った画像は、描き手の権利の侵害にあたるおそれがあります。AIへの読み込みや学習への利用を禁止している描き手もいます。
- AI学習と著作権法著作権法第30条の4は、AIの学習のように、絵を見て楽しむこと(享受)を目的としない利用を、必要と認められる範囲で認めています。ただし、著作権者の利益を不当に害することとなる場合は対象外です。法律の解釈とは別に、購入時に「AIへの読み込み・学習への利用は禁止」などの条件に合意しているなら、その約束は守りましょう。
参考:著作権法(e-Gov法令検索)、文化庁「AIと著作権」(2026年10月確認)
こんなときはどうする?
| こんなとき | どうする |
|---|---|
| 個人用に買ったアイコンを、あとから仕事の名刺にも使いたい | 描き手に連絡して商用利用の可否を確認し、必要なら追加料金を支払う |
| 子どもの似顔絵を、作例として公開されたくない | 購入前に「作例として掲載しないでほしい」と伝え、了解をもらっておく |
| 友人やスタッフの似顔絵をお店の広告に使いたい | 描き手の許可に加えて、描かれた本人の了解も取る |
| 描き手が活動をやめて連絡が取れない | 許可を取れないので、約束した範囲の外では使わない。最初に将来の用途まで伝えておくのが予防策 |
| 写真館で撮った写真をもとに描いてほしい | 写真の著作権は撮影した写真館にあることが多い。気になる場合は写真館に確認するか、家族が撮った写真を使う |
| 有名人の似顔絵を頼みたい | 描かれた人の肖像権やパブリシティ権にかかわるため、本人の了解なく公開したり、宣伝や販売に使ったりしない。描いてもらえるかは、頼む前に描き手に確認する |
ネットで似顔絵を注文する手順
はじめてでも、スマホから次の5ステップで注文できます。会員登録(無料)がまだの人は、先に登録しておくとスムーズです。
似顔絵師を選ぶ
似顔絵師の一覧で、絵柄・料金・評価を見比べて、気になる出品を開きます。
「購入画面に進む」を押す
出品ページで料金・お届け日数・オプションを確かめたら、「購入画面に進む」を押します。背景や人数の追加が必要なら、「有料オプション」を選んでから進みます。

出品ページの購入ボタン(画面は一例です) 支払い方法を選んで購入する
料金を確かめて、支払い方法(クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、キャリア決済、Apple Payなど)を選び、購入を確定します。
ココナラは、全国でテレビCMも放送された有名なサービスです。支払った代金はいったんココナラが預かり、取引が終わってから似顔絵師に支払われるので、はじめてでも安心して購入できます。

料金と支払い方法を確かめる画面(画面は一例です) 写真と希望を送る
購入すると、似顔絵師とやり取りする専用の画面(トークルーム)が開きます。描いてほしい人の写真と、用途や希望を送ったら、あとは完成を待つだけです。
届いた似顔絵を確かめて「承諾」する
完成した似顔絵が届いたら、確かめて「承諾」を押せば取引完了です。直してほしい所があれば、「差し戻し」で伝えられます。
人数や納期を購入前に確かめたいときは、出品ページの「出品者に質問」から無料で相談できます。似顔絵師の選び方まで含めた詳しい流れは、似顔絵の注文の流れと似顔絵師の選び方で解説しています。
よくある質問
似顔絵を買ったら、著作権も自分のものになりますか?
原画やデータを受け取っても、著作権は原則として描いた人に残ります。ココナラの利用規約でも、制作物の知的財産権は出品者に属するとされています。
著作権を移してもらうには「著作権を譲渡する」という合意が必要で、譲渡しても著作者人格権は描いた人に残ります(著作権法第59条)。
自分の顔を描いてもらった似顔絵なら、自由に使ってもいいのでは?
商用利用の許可をもらえば、ロゴとして商標登録できますか?
商用利用の許可は「約束した範囲で使ってよい」というもので、権利そのものは描き手に残ります。
ロゴとして長く使ったり商標登録したりするなら、著作権の譲渡(第27条・第28条の権利を含む)と、著作者人格権を行使しないことの合意まで取り、商標登録してよいかも確認しておきましょう。
登録の手続きは弁理士などの専門家に相談してください。
自分の似顔絵を、描き手の作例として公開されたくありません。
購入前に「作例として掲載しないでほしい」と伝えて、了解をもらっておきましょう。事前に何も伝えていないと、作例として公開されることがあります。
子どもや家族の似顔絵の場合は特に、最初のメッセージで伝えておくと安心です。
印刷して家族や親戚に配るのは大丈夫ですか?
家庭内など限られた範囲で使うためのコピーは、私的使用として認められています(著作権法第30条)。ただ、配る相手が増えるほどこの範囲を超えやすくなります。
年賀状のようにたくさん印刷する予定があれば、注文時に用途として伝えておくのが確実です。
描き手に断らずに、生成AIに読み込ませて別のポーズを作ってもいいですか?
避けましょう。元の絵の特徴が残った画像を作ると、描き手の権利の侵害にあたるおそれがあります。
AIへの読み込みを禁止している描き手もいるので、別のポーズや衣装が欲しいときは描き手に追加で依頼するのが確実です。
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